SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
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「カンパ〜イっ!!」


リビングに響く黒木の声。

その後、家では二度目となるサヤの歓迎会が行われていた。


「ウマ〜イ! ウマいぞぉ〜サヤ!」
「サヤの料理の腕はプロ並みね!!」


この前と同じように、テーブルにはサヤの手料理がズラリと並ぶ。

ただ一つ違うのは……

 
"ピンポーン"


「あっ! いらっしゃいましたわ!」


サヤが玄関へと走っていく。


「こんばんは」


凛とした声と共に一樹がこっちへ歩いて来た。


「おう! 久しぶりだなイツキ〜!」
「ほんと! 一樹くんいらっしゃい!」


「ご無沙汰してます」


今日は一樹がマンションへとやって来た。
一樹に会うのは、あたしも、みんなも久しぶりだ。


「ど〜だあ? ドイツでの生活は?」
「奏太くんは元気? 根を上げてない?」


「ええ。文句を言いながら、毎日特訓に励んでいますよ」


一樹はクスリと笑ってみせた。


実は10月に入ってから、一樹はドイツに拠点を移していた。

理由は奏太の特訓をサポートする為。

奏太が今、ドイツの組織による"特別強化プログラム"に参加しているからだった。


「んでも〜、わざわざドイツに行かなくたって〜、ナア〜?」

「そうよ、D.S.Pの新人研修じゃダメだったの?」


「これが負けず嫌いな性分ですから。D.S.Pに多くの能力者が加わり、闘争心に火がついたのでしょう。 腕を上げるなら、より厳しい環境のドイツでと……それが本人たっての希望でしたので」


「そっかあ〜」
「たくましいのね、奏太くん」


二人は納得した顔をした。

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