SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし

登っていたのは石段などではなかった。

それは、おびただしいほど多く積み上げられた子どもたち……


「……っ、ああっ、」


あたしは慌ててそこから飛びのく。


……これ、は……


……この子どもたちは……


「「「……ぅぅ……ぁあああ……」」」


Blue doll 地下実験室で犠牲となった子どもたち


「……あ、 ……ああ……」


その姿形は普通の人間とまるで違う。


180度体がねじ曲がった者、

全身がただれ赤や青に変色している者、

割れた頭から脳が飛び出ている者、

皮膚が溶け骨や内臓がむき出しになっている者……


みんな息も絶え絶えに横たわり、生気のない目であたしを見ている。


——ガッ!


突如子どもたちがあたしを掴みかかってきた。

みんなノロノロ起き出して、あたしにしがみついてくる……


「……っ!」


振り払おうにも振り払えない。

身動き出来なくなったあたしに、みんなが何かささやきだす……


「……な、に……」


よく言葉が聞き取れない。



「「「……………………」」」


……えっ……


「「「……、 ……、 ん……」」」


……っ、

声が大きくなってきた……



「「「……し……、 ……ん……」」」



「「「……しい、 け、 ん……」」」



「「「……しいけ……い、 わん……」」」



———— “ 見つけたぞCKー1ッ!”



「……っ!」
< 598 / 795 >

この作品をシェア

pagetop