SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
「……ぐっ、 はぁ、……うっ、」
血にまみれた体がピクピクとけいれんする。
体は確実に、死へと向かっているのだろう。
「あ~あ、だめだなコイツ。もう使いモノにならね~か」
利用価値がなくなればどうなるかぐらい、分かっていた。
だけど、あたしはもう、コイツらに力を貸すつもりはなかったのだ。
そう、あたしは分かってしまったから。
人質に取られているお父さんも、お母さんも、本当はもう……
——とっくに殺されている事を……