SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
"ブン……ウウ……!!"
バリアーが歪んだ形に変化する。
石の突き刺さった所がキュリキュリと嫌な音を立てている。
「……ハア、 ……ハア、」
石と同じぐらいの重さが体にのしかかってくるようだ。
押されるように、あたしは地面に膝をつく。
膝が地面にめり込んでゆく……
「……ッ!」
あたしは石の前で両手を合わせ、全意識を集中させた。そして、
「……ハッ!!」
おもいっきり空気を吐き出すと共に、両手を前に突き出した。
"バインッ! ……ゴドンッ!!!"
弾かれた石はそのまま地面に落下した。
————しかし、
""……ザンッッ!!!""
石の陰でその存在をかくしていたナイフが、いとも簡単にバリアーをすり抜け、あたしの胸の前で……止まった。
「…………」