SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


じーさんと凛子があたしから離れる。

あたしは両手を広げた。


「……ハッ!」


……ブン、パチンッ!



「……ハッ! ……ハッ!」


……パチンッ!


バリアーがシャボン玉のように一瞬で弾けて消えてしまう。

ついにはなんにも出なくなった。


「 あ~。だめだ 」


あたしの能力は不安定だ。

調子がいい時と、悪い時との差が激しい。

しかも調子が悪くなれば、しばらくその悪い状態が続いた。



「 しょーがないわ。今日はこれでおしまい。明日からはESPに専念しましょ 」


凛子とじーさんは顔を合わせ、苦い顔をした。
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