SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし

——グラアッ!!


またも視界が暗転する。

グニャグニャの世界に揺さぶられ、透と薫は地に伏せる。


「「……っ……」」


先程と同じように道路や建物が変化して……

やがて落ち着きを取り戻す……


「「——⁉︎」」


そこはまた別の景色が広がっていた。

轟音響く飛行場……

一面広がるコンクリートの上に二人は座り込んでいる。


のろのろと立ち上がり、遠く離れた建物や並んだ飛行機に目を向ける。

人影はない……

けれど今は風も音も感じられる。

ここは現実世界なのか、それとも——


「……グフ」
「……やあ」


「「 ! 」」


突然の気配に透と薫は振り向いた。

そこにはさっきの白い男と、他にもう二人がこちらを見据えて立っている。

只ならぬ雰囲気に、透と薫は身構えた。


「「……っ……」」


なんだろう、この感じは——、

以前にもどこかで会った事があるような……

説明出来ない嫌なものが胸に広がり息苦しい。

男たちに威圧され、透と薫は後退した。
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