SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
「 ダ~ッ! なんだよ、シッシッ!」
今度はハトの大群とたわむれる黒木と、街なかの森林公園を突っ切って目的地まで歩く。
……それにしても、
この着慣れないこの白のワンピース。
あたしは黒のトレーニング用の服でいいって言ったのに、ユリが無理やりこれを着せたのだ。
何故か黒木は喜んでたけど、こんなペラペラした服……
風で裾が揺れるたびに足もとがそわそわして落ちつかない。
なんか、やたら人に見られるし。
あたし、そんなにアヤシイ者か。
……まあ、この銀髪に、この目の色は目立つか。
「 ふ~、やっとついたぜェ 」
"◯◯整形美容外科"
ここに来た目的はコレだ。
ワンピースからも少し透けて見えている、左腕の青いタトゥー。
幾何学的な模様のソレは、二年前、あたしがBlue dollの一員だったという、まぎれもない証だった。