SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
施術室に入り、レーザー治療を受ける。
"パチパチパチ……"
このタトゥーの意味を知らない白衣の男は、すました顔で淡々とレーザーをあてていた。
……施術は30分ほどで終わった。
でも、あたしの腕からまだタトゥーは消えていない。どうやら、たった一度ではムリらしい。
けっこう面倒なんだな。
それなら——、
あたしと黒木は病院を後にした。
「……ウ~ン。半年かよったとしてもお、完全には消えないってさ~。青色は特に消えにくいらしい…… 」
先ほど通った森林公園のベンチ。
背中で噴水の音を聞きながら、黒木はあたしの様子を気にする。