SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
「……ま、り……?」
やっと声が出た。
「……まり……なのか?」
体が小刻みに震える……
熱いものがどっとこみ上げてきて涙腺を刺激する。
……オレは………
……オレは………!
「 麻里~っ!!」
涙と鼻水を盛大にたらしながら麻里を抱きしめた。
………が、
『 きったないわねえっ!』
——ゴンッ!
思いっきり頭をどつかれた。
「……いってえ~よ、」
麻里は怒ったような表情を崩さねえ。
オレはうろたえた。
……そうか、
やっぱり麻里は、オレをうらんで……