SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


……と、


麻里は“ハア~” とため息をついてオレの前で仁王立ちになった。


『 そんなわけないでしょっ!』


高い声がオレの体を突き抜ける。


「……っ!」


……ああ、麻里……


今、目の前に立ってオレを見下ろしているその姿……


どっからどう見ても妹の麻里、そのものじゃねえか!


『 お兄ちゃん! 私がなんで怒ってるのか分かる? ねえ! 分かるの⁉︎』


…………へ?


麻里の勢いに押され、体がのけぞる。


「……なんでって、その、ごめん。オレがおまえを死なせたから…… 」


罪悪感で思わず麻里から目をそらす。

すると、速攻で言葉が返ってきた。


『 ちがうでしょっ! もう! なんでそうなるの⁉︎ バカ! お兄ちゃんの……アフロッ!!』


「……ま、……麻里?」


……おまえ、

アフロきらいなのか?

オレはそらしていた目を再び合わせる。
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