SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
抜けるような白い肌、キリッと力のある瞳。コンパクトで形の良い鼻と唇。
若干、あどけなさが残る顔立ち……
だが、彼女が放つ独特のオーラが妙な色っぽさと妖艶さを見せていた。
「 痛っ、なんだ?」
「 ああ⁉︎ なんでガキがこんなとこに!」
のろのろヤクザたちが立ち上がる。
美空は首をかしげ、男のそばにしゃがみこんだ。
「 ねぇ。悪いこと、したの?」
美空が男の顔をのぞき込む。
「……え? 」
「 おじさん。悪い、ひと?」
「……ち、がう、」
美空の容姿に目を奪われながら、男は首を横に振る。
「……ほう。こいつぁ、すげー上玉じゃねえか。ボスへのみやげに丁度いいぜ 」
ヤクザたちがヘラヘラしながら美空に近づく。