SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


「……危ない、にげろ…… 」


男の言葉も気にせず、美空はゆっくり立ち上がる。


「 大人しくしてりゃあ、なんもしねえよ 」


ヤクザたちの手が美空に触れようとした時、

美空は勢いよく両手を振り上げた。


"ビュオッ!"

「うわっ!」


後ろの男を守るように、扇型に衝撃波が広がり、ヤクザたちはまたも吹き飛ばされる。


「……!」
「 痛っ、なんだコイツ!」
「……ああ⁉︎」
「てめえ、何者だ!」


ヤクザたちの目の色が変わった。

どうやら先ほど吹き飛んだ原因も、この少女によるものだと理解したようだった。
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