SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし

◇満月の夜の恐ろしさ

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——シュン!


黒木と別れた森林公園にあたしは戻ってきた。

辺りはすっかり夜の闇……

誰もいない夜の公園は風で木立がざわめいて、嫌な不気味さに満ちている。

あたしはガクッと膝を落とした。

石畳の冷たさが伝わって、小刻みに体が震えてしまう……


……ああ、


……すごく、だるい……


引き寄せられるように、あたしは地面に倒れ込む。

何かの副作用のように急激に襲う倦怠感……



「……はぁ、」


一体、何だったの?


……あの感覚は……


……あの力は……


……あたし、は……



もう一度右手を広げてみる。

跡形もなくさっきのアザは消えている。


あれが、しるしの力……?


伯耆坊が、導いた……?


わからない、なにも……

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