ヒーロープリンセスと溺愛オオカミ
「約束だからね?」
「ん、分かった。」
「あ、これが借りたマンガ?」
結愛ちゃんがサミのところから持ってきたマンガの袋を指さす。
「そうだよ、なかなかいい勉強になるんだ…人間はこう考えるんだなぁって。この本のここら辺とか…」
「え、見せて〜。」
っ…近い!
結愛ちゃんの髪が漫画を持つ僕の手にかかった。
「っ…ゆ、結愛ちゃん。お風呂入っておいで!明日も学校でしょう?」
「えーなに?親みたい…」
「あ…ご、ごめん…。」
「そうやってすぐ謝んないでよ、いつもわたしが悪い子みたい。」
「そんなつもりはなくって……!」
わかったよと言ってリビングから出て行ってしまった。