ヒーロープリンセスと溺愛オオカミ
「まさかこんなタイミングで…?…死ぬほど嫌だけど…今は協力するしかないわ、サミ。」
ぼそりとなにかサミちゃんが呟いた。
「え、なんて…?」
「…とりあえず、レトをあんたの部屋に連れて行くわ。手伝って。」
「う、うん!……っ!?」
レトの腕を肩に回すと、レトの身体が熱すぎてびっくりした。
大丈夫なのかと、より不安が増す。
「…ぅう…っはぁ…。」
ベットに横にならせても、何してもずっと苦しそう…。
「念の為に持って来てよかった…レト、これ飲んで。」
「…っ、ごくっ…は…ぁ…。」
サミちゃんがそう言って赤い錠剤のようなものを飲ませる。
「けほっ…けほ…2人とも…ごめん…。」
すぐにレトの呼吸が落ち着いた。
よ、よかった……!
「結愛ちゃんに説明しないと…ね。」
…レトは症状が落ち着いたけど暗い表情のままわたしにそう告げた。