ヒーロープリンセスと溺愛オオカミ
#レトside
今日1日の幸せが嘘のように、どん底に落とされた気分だ…なんで今更僕に……。
苦しさに悶える中、そう思っていた。
「レト、大丈夫…?」
結愛ちゃんが泣きそうになりながら、僕を見つめる。
「…心配かけてごめんね…とりあえずは平気だよ。サミもありがとう、本当、助かった。」
「うん…。」
らしくないね、サミが大人しい。
「…ねぇ、レト…。」
「うん。わかってるから…。」
サミが僕に言いたいことはわかってる。だから静かにしてるんでしょ。
「何から伝えようかな…。」
「わたしも聞きたいことがたくさんあるよ…。」