ヒーロープリンセスと溺愛オオカミ
あっ…目の前にいるのは…。
『僕はレトっていうんだ。』
これがわたしたちの思い出…。
ひとつひとつ、思い出していく。
その時考えていたことも。
レトに好きって言われた前から、わたしもレトが好きだった。
出会った時から、同じ幼稚園の男の子とは全然違う、すごくかっこいい顔だなと思っていた。
だけど、気が弱くてわたしが守ってあげなきゃと思った。
一緒に遊んでいる時の楽しそうな笑顔がすごく好きだった。
名前を呼ばれるとすごく嬉しくて、弱虫なレトにはわたしが必要なんだって思ったらもっと嬉しくて……。
それなのに、レトから長い間会えなくなってしまうと言われて…ものすごく悲しかったし、嫌だった。