ヒーロープリンセスと溺愛オオカミ
優しすぎるよ。
突然うちに来たときから、ずーっと優しすぎる。
八つ当たりしても、困らせても…なにも問題ないかのように笑っていてくれる。
「…レト、好き。」
「うん…………ん?」
レトが慰めるために髪を撫でていた手を止めた。
「え…っと…え?好きって…っな、結愛ちゃっ…!?」
「好き…、レトのそばに居させてほしい。」
ぎゅっとレトに抱きつく。
「う、うそ…だって…先輩は?」
「今日、告白してくれた…けど断って…、わたしはレトが好きだから…。」
「っ……ほんと、に?」
今度はレトが涙を流す。
「今日が最後だなんて、言わないでほしい…この先もレトと一緒にいたいの…。」
「夢…じゃないよね?いいの…?僕は人間じゃないのに…。」
「レトは全部が素敵だよ、わたしじゃもったいないくらい…ン!」
レトがわたしの唇を塞ぐ。
「んっ…ちょ、レト…外だよ…!」
「押し返して…ごめん……いま止められない。」
あっ…。
耳と尻尾が揺れて、瞳の色が黄色だ…。
「や…じゃない、けど…あっ。」
レトの唇が首へさがる。
「…あ…ん…はぁ………ん、レト……。」
やだ…こんな声、恥ずかしくてたまらない。