ヒーロープリンセスと溺愛オオカミ
「気を遣わないで、自分の心配をしてよ!苦しいなら苦しいって言って。」
どうしてこんな時にまで気を使うの…。
「…うん、ありがと…結愛が心配してくれてるから少し和らいだかも。」
へへっと笑ってそう言うレト。
「レト。薬飲む?」
サミちゃんが昨日の薬を準備している。
「ううん、少し横になって休めば平気だと思う…ごめんね、少しベッド借りるね。」
フラつきながらベッドに向かって、布団にくるまるレト。
「え、寒いの?……冷たっ!?」
レトの手に触れてみるとさっきよりも、もっと冷たくなっている。
「レト……なにかわたしができることない?あっ、わたしの、飲む…?」
ただ黙って心配することしかできない…このまま苦しむレトを見ていたくない…。