ヒーロープリンセスと溺愛オオカミ
「えっ?あっ……その、えっと…。」
正直に言うとレトが落ち込んでしまいそうだから、口を濁らせる。
「…僕がやったんだよね?」
「…で、でも全然痛くないよ!?だから大丈夫!しょうがないよ、少しくらい!」
「っごめん…ごめん!僕、やっぱり結愛と一緒にいたらだめだ……。」
「え……なんでそんなこと言うの?」
レトの涙を拭うために手を伸ばした。
「っだめ、触らないで!」
っ…パッと振り払われる。
後ろのサミちゃんは、黙ってわたしたちを見ている。
「結愛わかったでしょ!?僕が力を抑えられなくなったらこうなってしまうって。怖かったでしょ?もう、嫌でしょ?」
ポロポロと涙をこぼす。