ヒーロープリンセスと溺愛オオカミ

「えっ?あっ……その、えっと…。」




正直に言うとレトが落ち込んでしまいそうだから、口を濁らせる。




「…僕がやったんだよね?」





「…で、でも全然痛くないよ!?だから大丈夫!しょうがないよ、少しくらい!」





「っごめん…ごめん!僕、やっぱり結愛と一緒にいたらだめだ……。」





「え……なんでそんなこと言うの?」




レトの涙を拭うために手を伸ばした。




「っだめ、触らないで!」





っ…パッと振り払われる。




後ろのサミちゃんは、黙ってわたしたちを見ている。




「結愛わかったでしょ!?僕が力を抑えられなくなったらこうなってしまうって。怖かったでしょ?もう、嫌でしょ?」




ポロポロと涙をこぼす。

< 309 / 387 >

この作品をシェア

pagetop