ヒーロープリンセスと溺愛オオカミ
「そう、わかった。ありがとう。これから向かうね。」
王様と王妃様という響きにドキドキする…。
こ、怖くないかな?
「結愛行こうか。あ、両親とも穏やかな性格だから安心してね、あの2人が特別なだけだから。」
「うっ、うん…。」
レトと一緒にわたしの身長3つ分程ある豪華な門をくぐり、これまたとても大きな扉をメイドさん数人が開けてくれて、綺麗な絨毯が引かれた広い廊下を歩く。
門から玄関、玄関からレトの両親がいるところも全部長い…。
そして今までで1番立派な扉の前でレトが止まった。
「ふふっ結愛リラックスしてね。大丈夫だから。」
緊張が増していくわたしに優しく笑って、ドアをノックして、扉を開けた。
「父さま、母さま。お久しぶりです。」
わぁぁ…いかにも王様とお姫様っていう言葉が似合う雰囲気!
そしてレトのお兄さんと言われたほうがしっくりくるくらい、見た目がすっごく若い。
レトをちょっとだけ大人にしたような感じで…。
「おかえり、体調はどう?こっちに戻ってきて少しは楽?」
「はい、だいぶ楽です。あ、さっそくですが紹介しますね、隣にいるのが志内 結愛、前々から話していた人間の方です。」