ヒーロープリンセスと溺愛オオカミ

ーーー…それから、2週間弱経った。



結愛と庭園で食事してから、父様たちの言うとおり僕たちは僕の部屋に籠り過ごしている。



発作も起きることなく、身体はすごく楽な状態が続いている。



今までトランプ、チェスにオセロ…テレビゲームもしたりして、割と時間はすぐ流れていた。



だけど、外に行けず結愛には申し訳ないなと感じることが増えてきた。



「ごめんね、結愛もそろそろ退屈すぎるよね。」



「え?そんなことないよ、レトとボードゲームとかやるの面白いし!割と強いんだもん。」



「そう?…でもやっぱり、もうそろそろ気分転換もしたいし…街にでも出てみる?」



「街?」



「うん。少しここから離れたところで、貴族が管理してるエリアなんだけど人間の方の食品とかが売ってあるんだ。みんな人間の姿をしているし結愛の匂いもここに馴染んでるから目立たないと思う。」



「えっ…気になる!…けど、レトは大丈夫なの?」



「こっちにきてから一度も発作は起きてないし、少しくらい動いても問題ないはず!」



「じゃあ…少しの間だけ。」



「やった!もし止められたら面倒だから…隠れていっちゃお!結愛、捕まっててね。」



「ひゃっ…。」



結愛をお姫様抱っこして、この間のように窓から降りた。



「あはは。やっぱりこれ楽しい。」



結愛が僕に抱えられながら笑う。



「ふふ、それならよかった。」



城を出るまでは結愛を抱えたまま動いたけど、全く疲れなんて出てこないし…。



もしかしてこのまま成長が終わるかもしれない?



そうであってほしい…。

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