ヒーロープリンセスと溺愛オオカミ
レトのお母さんにひきづられるようにその場を後にし、すぐにレトたちのお城に着いた。
ただ何もできない自分が悔しくて仕方がない。
「…っひっく…わたし本当にレトに何もしてあげられない…。」
「あらあら…泣かないで。落ち込むことないわ。うふふ。レトったらこんなに可愛い子から愛されちゃって幸せものね。」
レトのお母さんが優しくそう言って頭を撫でてくれる。
「さぁ、手当てしないとね。」
バタンっ。
「…レト!!」
後ろから扉が開く音がして、振り向くとレトのお父さんとラトくんがレトを抱えて入ってきた。
「レトっ!?」
レトは身体中に傷を作っていて、ぐったりとしている。