ヒーロープリンセスと溺愛オオカミ
「結愛の…匂いが…強い……なん…で…。」
「レトっ…。」
「…声も……す、る。」
ゆっくりとわたしがいる方に顔を動かすレト。
「っほんとにいる…?なんで……」
「あたしが連れてきたの。……少しここを外すわ…ちゃんとレトを救ってね。」
サミちゃんはレトにそう伝えたあと、わたしに小さくつぶやいて、わたしとレトの2人きりになった。
「サミが勝手なことしたみたい……迷惑かけて、ごめ…ん。」
「…全然、そんなこと謝ってほしいことじゃない!」
「…ううん…来てもらったとこ悪いけど……っ…僕は結愛になんの用もないから…帰ってもらえる?」