ヒーロープリンセスと溺愛オオカミ
「う、んん…そっ…んなこと……。」
わたしの弱い言葉にも気を使わせてしまう。
「うーん…厳しいね……。」
レトのお父さんがそう言う。
「っレトのとなりに…行かせてもらえないですか?」
もうこのまま遠くで見てるだけなんて限界…近くでレトの力になりたい。
「…ん〜……そうしてあげたいのは山々なんだけど…レトがどうなるか分からないこの現状で結愛ちゃんを中にいれるのは…。」
「…ダメ、なんです…「もうここまで決めてるんだもん。中に入れてもいいと思ってしまうけど。」
わたしが話終わる前にサミちゃんがそう言った。
「俺も兄様をなんとかしてあげられるのはこの人間しかいないと思う…俺じゃないの、すごく認めたくないけど。」
「そうね…結愛ちゃんなら、レトの道を開いてあげられる気がするわ。」
「…ん、わかった……結愛ちゃん、レトのとこに行こうか。」