ヒーロープリンセスと溺愛オオカミ

「あ、あっ…ありがとうございます!」




話してる間に校舎についており、2年生の学年棟の方は手を振りながら去っていった。



うそ…まさか海先輩とご飯を食べる時がやってくるなんて。



普通なら喜びまくるところだけど…いまはレトのことが気になって仕方がない。




レトなりにどうやったらわたしが海先輩と仲良くなれるか考えてくれたのに…傷つけてしまった。




その後授業が始まっても、レトから愛想尽かされているかもしれない、わたしが嫌になっていなくなっているかもしれない…とレトのことばかり考えて、あっという間にお昼の時間になっていた。




「……!おーい、結愛?」




「…あ、楓…。」




「ぼーっとしちゃって〜!海先輩が呼んでるよ!…大好きな王子様とお約束してたらそりゃ正気でいられないだろうけど!」




「え…?あっ…!」




「あとで話し聞くからねっ!いってらっしゃい〜!」




約束どおり、海先輩が迎えに来てくれていた。




楓に冷やかされながら教室をあとにして、海先輩がオススメしてくれた校庭のベンチへと向かった。
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