そして僕は君に囁く
僕の気持ち
正直、出た杭が打たれたなって思った。

僕にはまだ仕事に対する自信なんて持てないし、どちらかといえば”まだまだ半人前”っていう気持ちのほうが強いんだから。

大学を卒業して二年目。
やっと会社にも仕事にも馴染んできた頃、「その不慣れで低姿勢な感じが気に入った」という訳の分からない理由で、担当している会社の社長さんから大口注文を頂いた。

どんな理由であれ、会社にとって利益はメリットのはずなのに、先輩たちからのやっかみの対象にしかならなかったようだ。

おかげで、僕は業績不振だった地方の支店に飛ばされた。

凄腕のイケメン……。

それが会社での僕の評価らしい。

「その手腕で、是非とも支店を立直してくれよ。得意先のお偉いさんにバンバン気に入ってもらえ。」

嫌味を交えた贈る言葉をいただいて、僕は支店へと送り込まれた。
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