毒薬は甘い蜜の味。
秘密の共犯者
「協力?」
「そうです。
私があなたの足りない物探しを手伝う代わりに、
もしそれが見つかったら、
私の願いを1つ、叶えていただきたいのです」
「願いって何かしら。会社なら譲ることは出来ないわよ」
十史郎は一瞬だけ悲しそうな微笑みを浮かべると、もちろん、と言った。
「今はまだその願いについて、
お話しすることは出来ないのです。
しかし、あなた様から会社や家族を奪うような願いではありません」
よく分からないからという理由で断るほど、
私は十史郎のことをよく知らなかったし、
知ろうともしてなかった。