毒薬は甘い蜜の味。


「・・離して下さい」



「おっと、悪い悪い。」



男はそう言いながらも力を緩めるだけで、
一向に手を離そうとしない。



「でも、離したらにげちゃうでしょ、あんた」



「はい」



「随分正直だねえ」




ははっと笑って、男は空いている方の手で胸ポケットから何かを取り出した。






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