毒薬は甘い蜜の味。
初日からいきなり学校の前まで押しかける、
雇い主の腕を掴む、
なっていない言葉遣い、
漂う怪しげな雰囲気。
その全てに圧倒されて、
私は車に乗り込んでからもなかなか事実を受け入れられなかった。
「お嬢様、驚かれましたよね・・
私が事前に連絡しておくべきでした。
申し訳ございません。」
屋敷についてから深々と頭を下げる運転手とは対照的に、
佐倉はツカツカとシューズの底を鳴らして歩いて行ってしまう。