好きになった人
「はぁ…」

何度目のため息なんだろうか。
お昼から沈んだ気持ちは夜になっても、なかなか晴れない。

こんな時は飲まなきゃやってられない!とイライラしながら自宅近くのコンビニでビールを買い、近くにあった公園のベンチに座ってビールを開ける。


なんか…28歳の女が公園でビールって、どうよ?とも思ったが、このイライラは自宅までは抑えきれなかったのだ。


私、綾瀬 美咲は只今、やけ酒中です。



「あのっ!クソじじいっ…」

くー!
やっぱり思い出しただけで悔しい‼︎

思い出すのは昼間の一言…


『…これだから、女は。貴方は愛人にでもなったらいかがですか?』



「…何で私が愛人なんてしなきゃいけないのよ!」

あの男!いつも嫌味ったらしく言っちゃってさ。
女ってだけで目の敵にしずきるっての!


今回はパワハラで訴えたら勝てるんじゃないの?
証人もたくさんいるしさ。


はぁ。
働くって、しんどい。




美咲は、昼間の出来事を思い出しながら開けたビールをグビッと一口飲む。


「あぁ〜、身にしみる…」

なんか、オヤジみたい。わたし。

なんて思いながら公園の周りを見回した。
夜の公園って、以外と人いるんだなぁ。


その公園には私、1人だけかと思いきや。
犬の散歩をしてる人や、たぶんカップルであろう男女。
そしてビール片手にやけ酒してる私…


不思議。
まぁ、まだ夜の8時とかだしね。

これ飲んだら帰ろう…
明日も仕事あるし。

本当は行きたくないけど!












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