好きになった人
レオンを抱っこしたまま立ち上がり、声のする方に向かう。

公園の入り口あたりだ。



「レオンー!どこだー!」


焦ったような声。
きっと、心配してる。



「ここでーす!」


声のする方に向かって私は返事をする。


すると、公園の入り口から男の人が走ってきた。



「レオンっ⁉︎」



男の人は、レオンを見てさらにスピードを速めて走ってくる。



わぁ!イケメン!
私の身長より遥かに高くて、切れ長の目に整った顔の彼は、笑顔の素敵なイケメンだ。


「レオン⁉︎よかった!見つかったー!」


彼はそのまま息を切らしながら私の目の前までやって来た。



「レオンの飼い主さんですよね?良かったです、見つかって!」


私は彼にレオンを渡す。


そのままレオンを抱っこしたまま彼は、じっと私の顔を見てきた。

イケメンにじっと見られるなんて、ドキドキするんですけど!


「…誘拐?」


「はぁ⁉︎」


疑うような目で見てくる男は、鋭い眼差しでサッと後ろに後ずさった。


「違いますよ!5分くらい前に急にレオンの方からやって来たんですよ!」



何を勘違いしてるのか、彼は私が誘拐したと思ってるようだ。


「…だよな。ごめん。コンビニの前に繋いでたんだけどコンビニから出たら居なくなってて焦った…」



はぁ。
走ってきたからなのか息を整えてる。

「そうだったんですね。きっとこの公園散歩コースだから思わず来ちゃったんですかね?」



「…ストーカー?」



「へっ?」



彼はさらに距離をおいてくる。


「何で私がストーカーなんですか!
むしろ恩人だと思うんですけど⁉︎」


ストーカーって、失礼な‼︎










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