雪に塩
「「誕生日おめでとう~!!」」



この日の林残は祝福に溢れる。



「ありがとうございます。」



なにせ、皆のアイドル(と周りが勝手に思っている)杠の誕生日。



「ユーハちゃん!お誕生日おめでとう!」


「憑舌さん、ありがとうございます。…薔薇ですか?」


「ああ!この間は本数が少なかったからね。今日は100本用意した。」



100本というだけあり、花束は両手で抱えきれない程の大きさだ。



「見た目といい、大きさといい、ユーハちゃんの祝いには完璧だな。」



杠は竺牽捏にお願いして生けてもらい、それを見た鍼蔑も満足そうに頷いた。



鍼蔑以外の馴染みの客から源氏香、キャバ嬢達から香り付の泣き砂を貰う。


更に、竺牽捏からのミラクルフルーツに皆で盛り上がった。



「今日はありがとうございました。薔薇の花束も。」


「礼には及ばん、祝えて良かった!また来るよ、ユーハちゃん。」



鍼蔑を始めとした客を、キャバ嬢達と一緒に杠は見送っていく。



「どうした?」


「いえ………、何でもありません……。」



そう言う靱の後ろ手に隠したものが何なのか、竺牽捏は見てしまった。
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