極上イケメン拾いましたっ!
部屋に到着して鍵を開けて、ドアを開ければ、やはり部屋は真っ暗だった。
いつも帰って来る部屋と同じ静寂だけが私を待っていた。


フフフ・・・・・
何、期待してんだ?
馬鹿だな、私。



部屋の明かりも点けず、手に持っていた重い荷物をダイニングテーブルの上にドンと置き、ドサリと椅子に座った。
一気に疲労が身体中に襲いかかり、胸に熱いものが込み上げて来た。



ガタンッ



寝室のドアが急に開き、そこには眠そうに目を擦りながら小説を片手に大きく伸びをしている陽斗君が立って居た。



「おかえり、董子さん。どうしたの?電気も点けないで。」


そう言って部屋の端にある電気のスイッチに手を伸ばし、陽斗君の手によって、リビングの明かりは点けられた。


「どうしたの、董子さん?どうして、泣いてるの?」


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