極上イケメン拾いましたっ!
そして、今に至る。


温めたミルクを私の目の前で飲む彼。
見ず知らずのこの青年を、私はどうして連れて帰ってしまったんだろう。


雨に濡れてたから?
熱を出していたから?



“可愛いね”と言われたから?



「董子さん、俺を飼わない?」



は?
この男は今、何て言った?
私の耳は今、何を捕えた?



「何言ってるの?飼うって何?君は人間でしょ?」
「じゃ、ヒモにして。」



“じゃ、パスタにして。”みたいに、夕飯の献立を頼むように、彼はその言葉を発した。


私は、水から出された金魚のように、ただただ口をパクパクとするしかなかった。
そう、声がでなかった。



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