極上イケメン拾いましたっ!
端正な顔の彼は、誰もが羨む容姿で、こんな冴えないアラサー女のヒモになる必要なんかどこにもなかった。


「意味がわかならいんだけど。」


私の口から発せられた言葉はただそれだけ。
今、私の脳を占める言葉をただ発したに過ぎない。



「言葉のまんま。俺を董子さんのヒモにして欲しい。そう言ったんだけど?」


そう言って、ジリジリと私との距離を詰めて来る。
その距離を保とうと、私は後退りするものの、最速、私の背中の行き着く先はベランダに繋がった大きな窓だった。


行き場を失った私は、近づく彼から逃げ場を失う。
彼との距離、ゼロセンチ。
またもや、私の唇は、容姿端麗なその彼に奪われた。



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