心外だな-だって世界はこんなにも-
紺色のカーディガン
どのくらい眠っていただろうか。
目をこすると、徐々にぼやけた視界がクリアになり、さっきと同じ景色が広がっていた。
まるで、時が止まっていたような感覚がする。
病気持ちの高校3年生のまま。そりゃ為替市場に多少の変動くらいはあっただろうが、何一つ変わってやしない。
目の前を紺色のカーディガンを羽織った、同い年くらいの女子が行ったり来たりしている他は、何も変わっていない。