心外だな-だって世界はこんなにも-





「肩車?」俺は露骨な渋面を浮かべた。



「それって……まずいだろ? 祭が上になると、その……ね?」



「何ー? あ! もしかして聡くん、今、変なこと考えなかった?」



当たり。何てことは言えず……。



「とにかく、没! 俺が上ならまだしも……。」



「いやいや、聡くんが上になったほうが何かとまずいでしょ?」



「重いから?」



「それもあるけど……ほら、えっと……当たるし……。」



あっ……。



「ば、ばか! んなこと言うなよ!」



「さ、聡くんが言わせたんじゃん!」



「言わせてねーよ、ばか!」



「ばかばかって、聡くん、私のことばかって言い過ぎ!」



ミッション前から取っ組み合いの喧嘩になった。あのソファーで座っている兄弟でも仲良くしているというのに。




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