心外だな-だって世界はこんなにも-
「いい? 聡くん。落とさないでね? ゆ、揺らさないでよ!?」
「はいはい。」
結局、俺が祭を肩車することになった。
顔の横から祭の足が生えていて、その透き通った細い足を俺は両手で握っている。手汗とか大丈夫だろうか……緊張する。
「おい、早くしろよ! あそこの兄弟がずっとこっち見てるぞ?」
「待って! カバーがなかなか外れなくて……。」
祭が左右に揺れた。
「ばか! 聡くん、揺らさないでよ!」
「ばか! 祭が揺れるから、バランス崩しそうなんだよ!」
その時、カバーが外れた。その拍子に俺の頼りない足は見事にふらつき、desire。
「痛あーい! もう、女の子一人くらいちゃんと支えてよ!」
「うっせー! 祭が重すぎるんだ!」
「重い!? あ、今、重いって言った!? ひっどー!」
「うるせえ! それより早く!」
病院というものは、優秀で、俺たちがdesire(注:欲望、願望の意。)した音を聞いて看護婦が駆け付けてきた。