心外だな-だって世界はこんなにも-
祭が急に立ち上がった。
「それじゃあ、そろそろお昼の検温もあるし、一旦戻って……そうだねえ、14:00にまたここに集合ね! 逃げるなよー?」
「誰が逃げるか!」完全に投げやりになっていた。
「祭こそ逃げんなよ?」
祭は元気よく頷いて、立ち去ろうとした。その背中を見ながら俺は気になっていたことを聞いた。
「名前!」
「何ー?」
「俺の名前、なんで知ってんだ?」
すると、祭は点滴台を指さした。
「そこに書いてるぞ? 七原聡くん。」