恋しても 될까요?
銀斗はところどころから血を流していた。
「えっ!?大丈夫!?手当てするから待って!」
「いらねえ。大丈夫だ。」
「ダメだよ!こんなに血流してるのに!こーゆー時に強がらなくていい!痛いんなら痛いって素直に言え!!」
私は持ち歩いている消毒液とガーゼで取り敢えず応急処置をした。
顔の傷の手当てをしようと顔に顔を近づけると、ドキッとしてしまった。
銀斗の顔は恐ろしく整っていてイケメンとかで表せるほどの顔ではなかった。かっこよすぎて固まってしまった。
「どうした?」
「や、な、なんでもないよ!」
あなたのお顔がかっこよすぎて見惚れてましたなんて口が裂けても言えませんよ。
「よし!これで大丈夫!帰ってお風呂はいったらちゃんとお湯で洗うんだよ?」
「………ありがとな。」
「いいえ。こんなのあたりまえだよ?」
「フッそうか。お前、目の前のオトコが血流してて怖くねえのか?」
「怖くはないよ。むしろ心配。」
「そうか。」
それから私たちは他愛もない話で盛り上がった。学校はどこだとかあの芸能人がどうだとか先生がうざいとか。とても面白かった。
銀斗は同い年で学校は南出高校らしい。
南出といえばかなりのヤンキー校だ。銀斗は多分ヤンキーだ。でも全然怖くないし、むしろ優しい。