桜の再会〜妖たちの宴〜
桜紅の瞳をしっかりと見据え、李桜はもう1度口を開いた。
「聞こえなかったのか。護衛役はもういらぬ。………今すぐこの場から消え失せろ」
「李桜様!? 何故ですか!? 私は…」
「……」
李桜は無言で印を結ぶと、右手のひらを桜紅に向けた。
「!李桜様、お待ちください! 李桜さ…」
ゴオオオオっと風が巻き起こり、吸血鬼でさえ思わず目を閉じる。
「………生きていろ」
微かに呟いた李桜の言葉は誰にも届く事はなく。
「李桜様あああああああああ!!!」
風にさらわれ、桜紅は暗い夜空の中へ消えていったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。