明日の空はどんな色だろう。
放課後、夕日で教室が朱く染まる。
その光景はとても綺麗で。

「あー、今日も疲れたなぁ」

あの後、シンプルな絆創膏に貼り替えた。
けれどやっぱり目立ってしまって。
トイレに行くだけでも視線がいたいわ、笑われるわで大変だった。

校舎の2階から下を見下ろすと、部活を終えた生徒達がわいわいと帰って行く。
その中に野球部の姿はない。
甲子園予選前ということもあり、他の部活よりも長く練習をしているのだ。
もちろん、翔と蒼磨も。
まだ2年生である翔達は試合には出ない予定だけれど、控え選手としてベンチに入るのだと言っていた。

「いつかまた、あのバッテリーを見たいな」

“あのバッテリー”

つまりはピッチャーの翔とキャッチャーの蒼磨。
小学生の頃からバッテリーを組んでいて、息の合う2人は注目を浴びていた。
小学校、中学校とそのバッテリーを見てきたけれど、高校に入ってからは全く見なくなった2人の姿。

見たい。

私は荷物を持って走り出した。
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