明日の空はどんな色だろう。
「おい大丈夫かよ。何もないところで転ぶなよな」

呆れ半分、同情半分といったところだろうか。
運動部の翔はバッグから絆創膏を取り出し、バカみたいに顔から転んだ私の鼻の傷に貼った。

ヒリヒリと地味に痛む傷に、生理的に涙が浮かぶ。

「石1つないのに。お前ドジすぎ!」

「わかんないよ!転げたんだもん」

痛む鼻の傷に貼られた絆創膏に触れる。

「ったく、しゃーねぇな」

同じ高さにしゃがんでいた翔は膝に手をついて立ち上がった。
そして、置いといた自転車に乗る。

「乗れよ莉音!」

「え、いいの?」

自分でしつこく言っといて何だよ。と自分で思う。

「いいから乗れって!」

翔は私に手を伸ばす。
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