明日の空はどんな色だろう。
その手には未開封の絆創膏が。
しかも、絵柄のない至ってシンプルな絆創膏。

「あ、ありがと」

「別に。もともと悪い顔がさらに悪くなったら困るからな」

「はぁ?!」

このやろー、好き勝手言いやがって!

「いいから、それ貼っとけよ」

その一言を言い終えると、さっさと自分のクラスに戻っていった。

「きゃあ!かっこよすぎでしょ、蒼磨君!」

「かっこいいよね!クールってかんじ!」

「黒髪の美少年・藤崎 蒼磨!勉強もできて、野球部のキャッチャー!翔君と人気を2分するモテ男!」

なんだ、その解説。
確かに蒼磨もかっこいい。
でも、幼なじみの私には恋愛対象に入ってないし興味ない。

「いいよね、莉音は!あの2人の幼なじみなんだから」

「ただの幼なじみだよ」

「今日だって翔君と自転車2人乗りで来てたじゃん!」

「それは私が転んだから」
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