Last Prisoner 教師を愛した私
私も一緒にブーイング。
「お前らなー、ちょっとでも向上心てものはないのか?」

「なーし!」

みんなの声がそろう。

「おい、そんなんで大学行けると思ってんの?!」

「思ってる!」

はーっと深いため息。

そのため息も好き!

「まぁ、いいよ。せめて俺ら家族が食いっぱぐれない程度に大学に行っといてくれ」

一瞬息が出来ないくらい胸が苦しくなった。

家族、だって。

先生にはやっぱり家族が大切なんだね…。

わかってはいるけど、やっぱりショック。

「みんな教科書しまえー!」

先生の言葉にみんなが教科書を引き出しにしまう。

チャイムと同時にテストの始まりだ。


私の席は一番後ろの窓際。

窓からは向かいのレンガ色のマンションが見える。

そのマンションの一室を私は眺めていたんだ。

カーテンが引いてなくて、中が丸見え状態。

視力1.5の私には部屋の中がよーく見える。

ん??

私は目を凝らした。

なんだか男の人と女の人が裸で抱き合ってる。

しかも激しいキス。

なんか、やらしくない?!

テストそっちのけで窓の外を見ていたら、頭の上に何かがポンと乗った。
温かい、ぬくもり。
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