Last Prisoner 教師を愛した私
私は頭を縦に振った。


車の中は少し寒くて、タオルケットの隙間から風がすーすーと入ってくる。

私はぶるっと身震いをした。

「あ、もしかして寒い?」

「少し」

先生の手がゆっくりと伸びてきた。

えっ、何?

思わず変な想像が膨らむ。

それともこれは妄想?

先生の手は冷房の調節ボタンに触れた。

なんだ、びっくりした…。

先生、私期待、しちゃったよ?

恥ずかしさで顔が真っ赤になった。

先生はそれを見て、またゆっくりと手を伸ばす。
私の額に先生の手が触れる。

温かい。

思わず目を瞑る。

「顔、赤いけど熱はないみたいだな」

先生は安心したように表情をくずした。

先生、何度も期待させないで下さい。

私のハートはそんなに丈夫じゃないんです。
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