Last Prisoner 教師を愛した私
どうして私が一生懸命好きって気持ちを抑えようとしているのに、いつも私の気持ちの奥深くに入ってくるの?

先生に触れられると、なんだか先生の全部を自分のものにしたくなる。

そんな私は、傲慢?


だらだらとテレビを見ていると、不意に家の電話が鳴った。

マサミかな?

今日休んだから心配してくれたのかも。

私はむっくり立ち上がって受話器をとる。

「もしもし、マサミ?」
受話器の向こうはなんだかざわざわしている。

「マサミ、どうしたの?」

すると、少し声が遠いけれど、

「んだよ、電波悪いのかな…」

耳たぶが熱くなる。

そんなはず、ないよね。
想像していたのはあなたじゃなく、マサミだったのに。

「もしもーし」

先生の低くてよく通る声がした。

思わず泣き出しそうになって口元を押さえる。

先生…。

どうして?

「もしもーし?神宮寺さーん」

慌てて我に返ると、

「先生、どうしたの…?」

思わず涙声。

「ああ、やっと通じたか。いや、お前に携帯返すの忘れてたからさ」

そういえば、あの落とした日以来携帯をいじっていない。

「何お前、忘れてた?」
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