Last Prisoner 教師を愛した私
中でも一番の宝物は、海外に出張で行ったときに買ってきてくれた、小さなウサギのぬいぐるみだった。

舞はいつもそれを抱いて眠った。


父親が働かなくなって、家計を支えるのは母親の仕事となった。

母親はスナックで働いて、いつも酔っ払って帰ってきた。

お母さん、お酒強くないのに…。

苦しそうにトイレで毎晩吐いている母親の背中をさすりながら、舞はいつも思った。

お父さんさえちゃんとしてくれれば。

でも母親がそんな風でも父親は働きに出ようともせず、競馬やギャンブルにのめりこんでいった。
< 4 / 96 >

この作品をシェア

pagetop