Last Prisoner 教師を愛した私
だからこそ会うのが辛い。

なんでこういうときに担任なんだろう?


教室に入ると、マサミが話しかけてきた。

「ねぇねぇ、舞。もうすぐ期末だね。勉強、してる?

「してないよー。できないし」

「あれっ、なんか今日いつもと顔違くない?!」
げっ、ばれてる。

もう、マサミにはごまかせないね。

でも、話すのはちょこっとだけ。

絶対に失恋した相手が先生だなんて、言えない。
「ねぇねぇ、何かあったでしょ」

「うん、まぁ…」

マサミは下から私を見上げると、

「わかった。失恋でしょ。舞のその赤い目でわかった。でもいいよ、言わなくて。私には舞が誰を好きか、なんとなくわかってたから…」

えっ、そうなの?!

マサミ、知ってて言わなかったんだね。

ありがとう、気遣ってくれて。

「だって言えないよね、盛岡先生が好きなんて」
はぁぁぁぁぁぁ?!?!
盛岡とは隣のクラスのクラス担任。

数学を持っている。

先生と違ってあんまりかっこよくないからモテない。

「だってさ、盛岡の授業のとき、舞いつも声が上ずってたからさー。相当好きなんだな、って思った」

うっそーーーーーーー!
マサミ、勘違いも甚だしいよぅ。
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